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おやじによる
おやじブログ

2021.12.09不動産のこと

おやじの「不動産でやっちまった」事例その2

不動産業界では年末に向けての仕事は、
大切な資産を預けていただく大家さんへの
年末の挨拶まわりをしたり、
空室物件の水道管や給湯器が凍結しないように
見回りに行ったり
本業とは直接的には関係がない業務で
多忙を極めています。
なので12月の仲介件数は少なくなっていき
年越しの資金が足りません~」と
どこかの映画タイトルのような
状況下になってしまうこの時期に
あの人」はやってきました。
 
25年ほど前に起きたトラブルです。
「12月中に引っ越したいので物件を探しています。
至急の対応をお願いします。」と
とても有難い問合せが入りました。
来店いただき実際に物件の案内を
させていただきますが、
心ここにあらずでとにかく
「すぐに入居できますか?」を気にしています。
数件の部屋を見ていただいた後
入居申込をしたい物件が決まり、
事務所に戻り手続きをさせていただき始めますが、
どうしても年内に引っ越しをする決意は熱いものの
その理由がちぐはぐで、
はっきりとはしません。
勤務先を確認すれば長野に住む人なら
一度は聞いた事がある有名な企業で、
支払い能力にも問題はなさそうです。
保証会社ではなく親族の保証人で
契約手続きをすすめ、
大家さんに報告すると
「年末のこんな時期に入居してもらえて有難い」
感謝されます。
初期費用も問題無く支払いをしていただき
入居が始まり、
とりたててトラブルの連絡も無く
時間が経過した暑い夏を迎えた頃に、
大家さんから
年末に入居した〇〇さんだけど
家賃が入金されていないよ!!」と。
良く聞けば当初の支払い分だけで
既に6ヶ月分が未入金であるとのこと。
早速携帯に連絡いれますが、
お客様の都合によりお繋ぎ出来ません」
のアナウンスが繰り返さるだけ。
アパートに向かうともっと嫌な予感が。
ポストが郵便物で溢れかえっています。
ノックをしても返事は無し。
一日に時間を分けて訪問しても留守。
日曜日に訪問しても応答無し、
保証人に連絡しても保証人は契約後
すぐに死去していたことが判明。
勤務先に連絡すると
こちらは契約と同じ時期に退社していた。
大家さんには事の次第を洗いざらい説明し、
こちらの調査不足をお詫びするものの
時既に遅しで信用は全くのゼロに。
とにかくこの問題児を退治する事だけを
頭にたたみこみ一日中張り込みを行い、
何十回目かでやっと本人を捕まえ
事務所に来てもらうことに。
大家さんにも同席いただき
事情を聴いてみれば同情の余地はあるものの
大家さんには関係の無い話しであり
迷惑をかけていることには相違ない。
入居時には既に家賃が支払っていけない事は
本人は承知のうえで引っ越しをしたとの事であるが、
そんな事より今後の対処方法である。
1ヶ月分の家賃が支払えない人に
6ヶ月分の家賃を支払えるはずも無いので
滞納分は今後分割で支払ってもらう覚書に
署名捺印いただき、
すぐに解約してもらうことで協議はできた。
ただし、
行く先をどうするのか、
本当に出ていくのかという心配は付きまとう。
退去期限前日に電話があり
明日は間違いなく立ち合いをして欲しいとのことで
ほっとはするものの心配で寝れず
ほぼ徹夜状態で朝を迎え、
時間よりもかなり早く現地に到着し
本人が来るのを待つ。
心底悪人でもないようで
時間通りに現地に来てもらい
無事に鍵は返却して貰えた。
敷金は滞納分との相殺となるので、
退去後の室内クリーニング費用は
当社で弁償させていただきましたが、
一番高い授業料は大家さんからの
信用失墜」です。
痛い痛い高い高い授業料でした。
目先の売上げに目が眩んでしまった失態で
「やっちまったな」の事例です。
 
この業界に踏み入れた時に
口を酸っぱく教えられて格言があります
「年末やGW前にすぐに引っ越ししたい、
お客さんには重々注意しなさい!!」と。
令和3年も残りわずかですが
「すぐに入居したい」こんなお客さんは注意をして
私のようにやらかさないようにしましょう。