イベント情報イベント情報

おやじによる
おやじブログ

2025.05.31不動産のこと

中古物件の価格設定について考える

先日築50年経過したマンションの査定依頼を頂き
物件の見学をしました。
流石に半世紀経過した建物だけあって外観も古いし、
階段などの共用部も古い。
室内は所々リフォームした箇所はあるものの全体に古さ満載。
査定と言われも査定できるほどの価格は当社では提示できそうにもないし、
仲介でも〇〇万くらいですね、
と現場でお話しさせていただくと、
他の不動産会社からはもっと高い値段で売れる!と提示されていますが」と所有者さんからかなり強いお言葉が。
まあ他の不動産屋がもっと高い値段で売れる自信があるのならそちらへお願いすれば良いのでは」
お客さんには言えないがこれは本音です。
物件には当然相場もあれば
その物件が過去どのくらいの値段で売却されていたかの事例も当然考えなければスムーズな売買は成立しません。
今回査定させていただいた物件は過去に何軒も売却された事例はありますが、
それはほとんどが室内全部をリフォームし水回りも全て新品に取替たうえでの売却です。
今回は売主様では一切の手入れをしないでの売却ですので
当然販売価格は抑えないと売れないはず。
当社が買取るとすればもっと値段は低くなります。
それは当社の利益を多くしたいという浅ましい考えだけではなく、
商品としてきちんとした形でお次の購入者様へ
お渡しをしなければならないためです。
人間と同じで50歳過ぎれば見た目は何ともなくても血管(建物で言えば配管関係)が痛んでいたり、
目に見えない箇所(建物で言えば給湯機器など)で故障がある可能性があります。
古い建物も人間ドックではないですが、
購入後先ずは検査をして故障個所のメンテナンスや
部品交換箇所の検査からスタートします。
売主さんには「関係がない」と思われますが、
これをしないと売った後から様々トラブルが発生する可能性がありますが、
売物件を多く集めたい不動産屋ではそんなリスクは一切説明しません。
当社での査定金額では納得できなかったのかその後音信は不通に。
その後不動産ポータルサイトを見ていますが
この物件は現況のままで当社が提示した金額の7倍もの金額で売りに出されています。
その金額は販売している不動産屋が提示したものなのか、
売主さんの希望金額なのかは不明ですが、
もしこの金額で売却できるとすれば
その不動産屋はたいした者です。
購入する人もたいした者です。
中古物件は新築に比較して価格が安いので
動きは良いかと思われる
それでも実際に売れなければ所有者さんには迷惑がかかってしまいます。
時には厳しい価格設定をさせていただく場面もありますが、
市場に敏感でいるからこそ厳しいお話しをさせていただきます。
不動産は決して「見世物」ではありません。
売れる価格で売却を依頼することをお薦めいたします。