おやじによる
おやじブログ
2020.07.06おやじの活動報告
今どきの『大家さんへの引っ越し挨拶』を検証してみましょう
ひと昔前の話しばかりしてしまうおやじ不動産で申し訳ありませんが、
その昔アパートや貸家へ 引っ越しをすると
借主さんは必ず「大家さんに御挨拶」に伺いました。
仲介した不動産屋も、物件の設備説明に始まり、町内会のしきたり、
ゴミの出し方&出す場所 のひと通リの説明を
大家さんから受けてもらうようにお願いをしていました。
大家さんは『大家業』として
賃貸経営をしているという強い責任感も持っていましたし、
だいたいが 手数料をいただければ「は~いオーケーです!!!」の
不動産屋には任せておけなかったのでしょうね。
入居する人は手土産をわざわざ購入し大家さんに伺いますが、
大家さんもよくしたもので返礼品 として
自分の畑で採れた野菜や果物を準備し、
それはそれは微笑ましい光景でした。
勿論現代のような良好な設備がついているわけではないので
建物の不具合はけっこうな確率でおきていましたが、
入居者さんも怒るわけでもなく大家さんに修理依頼をし、
大家さんも自分でその手配をしていました。
大家と店子という良好な関係が続いていた懐かしい時代は
『大家への挨拶を何故入居者がするんだ?!』
という時代の変革とともにかわりつつあります。
会社を設立して間もない頃の出来事ですが、
会社契約をしていただき入居者者さんにライフラインの 案内や
鍵受け渡しの連絡を電話にてさせていただいた時に
何時ものように『入居されて落ち着いてからで良いので大家さんへ
御挨拶いただけませんか?』と何気なくお願いしたところ、
『俺は入居してやるんだ! 大家がお礼を兼ねて挨拶に来るのが普通だろう!』
ときつい口調で言われてしまった事がありました。
確かに大家さんはその入居者がいればこそ賃貸経営が成り立つのだから
「感謝してあたり前」なのかも 知れませんが
何だか寂しい心になってしまった気がしてとても残念な出来事でした。
その出来事以来、
入居者さんから「大家さんへの挨拶はどうすれば?」と
聞かれない限りこの挨拶の件には 触れないこととし、
大家さんにも「入居者さんからの挨拶はありませんよ」と
伝えるようにしています。
最近の賃貸建物はサブリースが主流になり、
大家さんは大家さんではなく「所有者」であり、
貸主は大手管理会社になるので
『引っ越しの挨拶』も不要になってきましたし、
困った事があればすべてアプリからと
人間対人間の賃貸ではなくなりつつあります。
全てとは言えませんが過剰な個人情報保護により
人と人のつながりそのものが無くなってしまうことが
良い風習なのかはとても残念です。
サブリースの所有者さんもせめて男性or女性、
単身or家族、くらいの内容は知りたいでしょうね。