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おやじによる
おやじブログ

2020.02.07おやじの日常

挨拶の難しさを考える

とある金融機関の社員さんが転勤になるとのことで引継ぎする社員さんも一緒に挨拶に来社されました。

「私この度転勤になりましたので御挨拶と後任を連れてまいりましたが社長はいらっしゃいますか」

「今不在にしていますが私で宜しければ」と名刺を持って後任者の前に。
前任者「社長はいますか」「社長はお留守ですか」

この狭い事務所を見渡し社長が隠れていないか確認 している模様。

私は差し出した名刺を下げ「挨拶はいらないので帰って下さい」と。
当社はホームページに大々的に謳っているように2人しかいないのですから、
社長が不在であれば私樋口しか いないのです。

この金融機関の社員さんは何故社長にしか目がいかないのでしょうか。
取引先だと自負しているのであればその会社の役員構成はどうなっているのか、
社長以外誰が役員なのかの 興味を持たずに仕事をして、
零細企業であれば社長を連呼すれば喜ばれるとでも思っているのでしょうかね。

私も過去同じような失敗をし大切な取引を駄目にしてしまった経験があります。
会社を立ち上げた約30年程前のことですが、
ある企業さんから依頼を受け土地の地上げを行いました。

地上げといってもバブル時代のような怖いものではなく、
所有者さんにお願いをして売却をしてもらうことです。

何度か訪問させていただき玄関から居間へとお話しの場が移っていき、
飲み物もお茶から紅茶へと変わっていき
何とか売っていただけそうな雰囲気になってきたなと感じた時の訪問で
「今日は御主人様はいらしゃらないですか。 御主人様に具体的なお話しさせていただきたいのですが。」と奥様に挨拶をします。

今までも同席いただき一緒にお話しを聞いていただいていたので
何気なく言ってしまったのですが、
「今日は主人は おりませんし樋口さんとの取引はいたしませんのでお帰り下さい!!」とけんもほろろに。

何が失礼だったかも分からない状況でただおろおろするばかり。
後に御主人から連絡をいただき事情が判明したのですが、
不動産登記上の名義は御主人になってはいるものの 御主人はいわゆる
「お婿さん」で実際の跡取りは奥様であり売却するかどうかの
最終判断権限は奥様にあったとのこと。
なので具体的な話しは御主人よりも奥様にしなければいけなかったのだそうです。

正しく「あちゃぁ~やっちまったな」状態です。

最後の最後でとんでもない失態をしてしまいましたが、もうどうにもなりません。

お詫びに伺うものの取り合ってもいただけません。
誰がキーパーソンなのか良く考えもせずにとった行動の結末です。
この時挨拶の難しさをしみじみと思い知らされましたし、
百万単位の仲介手数料が一瞬にして消えてしまった高い高い 授業料でした。

これから社会人ルーキーとなる若い方におやじからのアドバイスとして、
誰がどんな立場であろうとも挨拶は平等に そして元気良くしていくことが大切ですよ。

今日はそんな昔を思い出させていただいた一日でした。